お気楽、味のほどしらず。

朝昼晩、違う国の料理を食べている摩訶不思議、日本、日本人。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
スポンサー広告 | トラックバック(-) | コメント(-)

「再見」のご挨拶

壷中 挨拶分 「お気楽に」と始めた当ブログも一年あまり。 ちゃんと読んだこともない夏目漱石の一文が、何故か鮮明に思い出せる。「情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい」。

日本中、A級だかB級だか知らないけれど、グルメのオンパレード。犬が歩かなくとも「秘伝」、「究極」、「絶品」に大当たり。これじゃ世の中、「まずいモン」なんか有り様が無いって事になるんじゃあ~りません?写真付き「ミシュランガイド」の狂騒!?とくれば、もう「お食べ」だけの話はつろうごいます。還暦から一年が経った、この夏、「気分の風を変えましょうや」と相成りました。

「衣食足りて」の言葉があるものの、果たして"足りている"のでせうか。私には、格好の輪郭だけにしか見えません。ちゃんと姿勢のある人、暮らし=「スタイルがある」ということって何なのさ。世間知らずを承知で衣食住に関するブログを始めることに致しました。今までお訪ねいただきました皆様に、この場を借りてお礼を申し上げます。 新しいブログ「壺中夜噺」でも、ご挨拶をアップしております。こちらにもお訪ねいただきたくお願い申し上げます。

思えば、昨年の今頃、当ブログで、「黄油蟹」を紹介させていただきました。 そう、一年に一度、この短い時期にしかお目にかかれない珍なる味。どうして見過ごすことができましょう。今夏も由をとりつくろい香港に出かけます。日本に戻りましたら、「壷中夜噺」の本題に入りたいと思います。こちら「お気楽......」同様、ご興味を持っていただけたらありがたいです。 尚、ご感想やご質問などは、こちらのブログの左下「Mail access」をご利用ください。   

多謝再見  AjinciことCOTYUU



スポンサーサイト
挨拶 | トラックバック(-) | コメント(-)

パン食い狂騒?

お気楽_VIRONお気楽_尊鉢 「摩訶不思議日本、日本人」。「世界各国の料理が毎日当たり前のように並ぶ食卓」をはじめ、TVCMでお馴染みの、「熟成、完熟、芳醇」の冠をつけた「食パン」も、そのひとつ。

 

気にされずに使われているものの、「食べるパンだから、食パン?」。イギリスパンやフランスパンも、それぞれ国名の後に「の」が入ればわかるけど、なんだかな~。ま、別にどうでもいいといえば、それまでだけど。

 

 

 「パン、これがパンぜよ(ナゼか、龍馬式土佐弁)」を、初めて知ったのは、40年近く前。場所は、ベルギーのブリュッセル・ミディ駅前。近郊の農家が、自慢の品物を並べる青空市の一軒、「田舎パン=パンドカンパーニュ」を売りにするパン屋でのこと。「食べてみな」。その一片は、言うなれば�ガラパゴス化島国�パンしか知らない日本人にとって、文明開化そのもの。香り、歯ごたえ、酸味の立ち上がりから、ほのかな甘みに包まれていた。しかも焼いてから、2~3日から一週間程が 食べ頃という。ブリューゲルの絵や映画で見る、卓上に置かれた塊パンの情景が甦る。「な~るほど、こ~ゆ~パンは、日持ちするんだ」。以来、「真白き、柔らかき」をモットーにする「食べるパン」には、食指が動かない。

MORE

Asianで炒ャ~

お気楽ブログ蝦チャーハン横420 中国の読み方に習い、日本でも、炒飯と書いて「チャーハン」という。でも、炒麺(チャオメン)は、なぜか 「焼きそば」といって、はばからない。以前にも記したが、蕎麦=麺ではない。ま、細かいことをいうと�目炒苦炒�になりかねない。今回は中華も「ASIA=エイジアの味やで」を話そう。

鍋底の形を見ると、西欧のフライパンは「炒める仕事」に向かない形状をしている。一方、中華のパンは丸底で、炒めながら、材料を混ぜ合わせるのに向いている。中華パンは、実に便利な道具で、これ一つあれば、お得意の「炒める」をはじめ、「煮る」、「焼く」、「蒸す」など、なんでもござれ。アジアの家庭や料理店のほとんどが、こうした鍋の恩恵にあずかっている。
 
タイやベトナムの料理も、「中華鍋」なくして成り立たない。道具や調理法は中華式だけど、調味や材料で、お国柄を表しているよう。我が家でも、旅先で買い込んだ調味料を使っては、「うむふむ、な~るほどエイジア、えぇ味や~」を気取っている。
 
MORE

"タイ麺"を重んじる

お気楽ブログ鶏麺210お気楽ブログバーミー210 北タイの古都チェンマイで、ホンダウエイブ125ccを駆って、麺を喰らう日々を過ごした。今回は少しばかし、その麺道の軌跡をたどりたい。

タイの麺は、おおざっぱにいうと2種類。ひとつは、小麦粉を練ったバーミー=細い卵麺 (写真右は「カオソーイ」用の平麺)。

 

もう一方は、米麺(クイティオ)で、麺の太さで名前が変わり、極細麺「センミー」、細麺「センレック(太さがフェットチーネに近い)」、太麺「センヤイ(きしめんより幅がある)」に分けられる。ちなみに「ヤイ」は大きい、レックは「小さい」という意。店で客を眺めていると、「センレック」を好むタイ人が多いような気がする。センの語源は「線」。これが中華の福建や、潮州にみられる細麺に線の文字があてがわれていることからも、タイの麺は、中国からの渡来のもので、料理法も色濃く反映されているのが想像できる。一概には言えないが、タイの食は中華人系のお店が美味しいことも付け加えたい。  

 

MORE

養生の粥

お気楽_おかゆ
帽子を被ったQuaker教徒叔父さんが微笑んでいる箱。あのイラストは強烈だ。オートミールは、ここん家以外のも出回っているけど、どれも具合が悪くなった時を思い出す。正直いうと、あまり好きじゃない (雪印乳業さん、ゴメンなさい!?)。

同族の粥も、小さい頃の記憶にある、病人食のイメージが付きまとうせいか、普段の食卓には縁遠かった。ただ、それは単に美味しい粥を知らなかっただけで、今では、旅先、特に東南アジアで粥屋を見かけると、食欲をそそられる。

粥に目覚めたのは、香港。好みの具を選び、熱々をすくいながら、底に潜んでいる生姜をしゃくりあげて、混ぜ、混ぜ。「う~む、これが粥か。か~ゆ~ことか」を知る。ここでは、粥のことを「ジョク」と言う。

 

明日から”引き籠もり”をする、北タイのチェンマイにも、「粥」が売りの店が数軒ある。彼の国では、粗い粥を「カオトム」(カオは米、トムは煮る)、糊状につめたものを「ジョーク」と 分けている。私見だが、このジョークは、中華のジョク(粥)から来ていると思う。 ウマイ粥屋のほとんどが中華系の人が営み、点心も扱っている。 地政学的にも、中華の影響が強く感じられる。粥の奥を覗きたくなったら、金子光晴著「マレー蘭印紀行」なんぞ片手の旅もよし。冬の誰ぞ彼、時。黄昏て粥を炊くのも、一興にございます。

 

 

MORE

酒池酒林に溺れる

お気楽_牡蠣油漬けお気楽_粕漬け_辨天娘 「用心深い酒だね。そう、おずおずしていて、はっきりしないんだ。まるで気が小さいんだから」。これは、ロアルド・ダールの短編集「あなたに似た人」の「味」の一節。葡萄酒の利き酒をめぐる、ドキリ、ニヤリの小品で、食や酒に通じた人は、「冷やっ」と、そうでない人でも楽しめる。

 

何しろ、「チョコレート工場の秘密」など、児童文学の作品が多い、元飛行機乗りの手練れ。面白い世界、保証します。

 

この作品でも紹介されている、年代物や銘醸物の葡萄酒は、「いただく一日前くらいに、部屋に置き、いうところの常温にしておく」な~んて、ややこしいことをするらしい。 そうすることにより、葡萄酒の眠りを覚まし、美味しくいただこうっていう寸法だ。とはいえ、この"おめざの酒"は、開栓してからの命が短い。もっともたないのは、醸造酒仲間のビール。栓を開け、注いでから時間がたったら、飲めたもんじゃない。 しかし同類の中でも、ある種の日本酒は、空気に触れ、酸化を利用し、時間と共に旨くなる。異端異質。奇酒でありながら、品の美を伴っている。

 

左上の写真は、太田酒造「辨天娘」の酒粕で仕込んだ、若桜(わかさ)大根と胡瓜の奈良漬。 右上は、京都の古美術「佃」のご主人佃さんお手製の「牡蛎のオイル漬」。私が、佃さんから頂き物をした御礼にお送りした、香港の「九龍醤園」の牡蛎油を使ってくださったもの。この項に挙げる、すべての酒に合う味。骨董の目利きは、酒肴にも通ず。

MORE

片口に語らせては

 
285お気楽_片口_佃ほか 酒を酌みながら、独り言。「片口」ってあるけど、両口ってのは、ないのかな~。両口っていうと、名古屋の和菓子屋さんとか、官の継ぎ手くらしか思いつかない。まっいいや」。大分、きこしてしまったのか、呂律が廻らなくなってきた。

そんな折に、NHKの語学番組「トラッドジャパン」の中で、出演者のステュウット・A・ヴァーナムアットキンが「シンメトリーじゃない、へこみ、ひしゃげを良しとする、美?失敗作だと思った」な~んて、初めて、織部焼を見たときの印象を話していた。

確かに、不均衡で、整ったところがない焼き物なんて、西欧では考えもつかないはず。「織部の奇」は、日本という島国の独自性を物語っている。

 

中国から朝鮮を経由してきた陶磁器。もとの中国、朝鮮の焼き物は、均整のとれた(シンメトリー)がほとんど。あえてバランスを崩す、型破りな物の見立ては、`珍`以外の何者でもない。

 

本来、片口は、液体を汲んだり、注ぐ道具だった。これが「酒を酌む」にとどまらず、料理を盛りつける器となり、酒菜を無造作にサクッと置くと、妙に映えるから不思議だ。 でも、そうなると「`口`は、一体何のためなんだ?」って、アットキンさんじゃなくても、思うだろう。それこそ、日本の異質。「用の美」、転じて「様の美」ってもんですね。

 

普段の食卓によく使う三つの口、それぞれにお気に入りの酒菜を。大根の花椒(中国山椒)風味漬けには、京都の「古美術佃」の佃さんから求めた、とぼけた雰囲気が目を引く、黄色がかったコチラを合わせた。「少し時代がある」と、佃さんは言っていた気がするが、いつ頃の物?今度お邪魔したら聞いてみよう。

 

トマトの糠漬けは、西荻窪の「魯山」で一目ぼれした刷毛目に。割り干し大根の中華醤油の炒め煮は、 通りがかりの展示会で買った焼き〆に盛ってみた。 こりゃぁ~、たまりません。酒は、「三井の寿」か「日置桜」の燗がよろしいか。

MORE

お箸を使わない、蕎麦

お気楽_ガレット_クレープ_285X380
パリ・モンパルナスには、10軒を超えるクレープリーが軒を連ねている通りがある。「モンパルナス」駅が、ブルターニュからの上り列車の終着駅のため、この界隈にブルトン(ブルターニュ人)が住み付き、郷土料理であるクレープ専門店が増えたらしい。

ただ、ブルターニュの名産「牡蛎」は、彼らの店では扱わず、牡蛎剥き職人・エカイエは、海のない、山間部のサヴォア地方の出身者ばかり。「出稼ぎ」「勤勉」という共通項を持っているとはいえ、なぜ?ブルーターニュ人は、よほどのおひとよしか?商売っ気がないのか?

モンパルナス大通りには、「ラ・ロトンド」、「ル・ドーム」、「セレクト」などのカフェが並び、狂乱の時代、エコール・ド・パリ(パリ派)の外国人芸術家たちが巣くっていた。それまで暮らしていた、モンマルトルの物価や家賃が高くなり、左岸のモンパルナスに移ってきたためだ。

 

映画「モンパルナスの灯」で描かれたモジリアーニをはじめ、シャガール、ルソー、マティス、そしてピカソ、藤田嗣治など。教科書に出てくる連中のたまり場であり、シャワーのないアトリエ暮らしにとって、カフェのトイレは、体の内外をキレイにしてくれる場でもあったそうな。 そんな血気盛んな連中が、小腹を満たすために、クレープを食べたのか、ガレットを食べたのか知る術はないが、カフェもクレープリーも当時と変わらず、今も賑わっている。

MORE

ちょいと、お箸を置いて

お気楽_箸280 
雑事に追われ、更新ままならず、
少~しばかり、お時間をいただいております。

拙宅愛用の京都「市原平兵衛商店」の盛りつけ箸と
バンコクの工芸品店「タムナン・ミンムアン」で求めた、
タイランド製のお箸です。箸休めの代わり。


更新は9月20日の週の予定です。
今後とも、よろしくお願いします。

 

 

気まぐれキッチン | トラックバック(-) | コメント(-)

名残りのポモドーロとバジリコ

お気楽_バジルソース_ジェノベーゼ_リガトーニ210お気楽_トマトソース_冷製パスタ210 葡萄酒やチーズ、オリーブ(オイル)、パスタなどなど、日本で、数え切れない"本場物"が、手に入るようになったのは、つい!? 最近のこと。「ナポリタン」が、本国イタリア・ナポリには存在せず、ナポリ風は、「ナポリタン」ではなく「ナポレターノ」であるのが、知れ渡るようになったのも、さほど昔ではない。

味噌や醤油が量り売りされ、地産地消が当たり前だった、ウン十年前。「ソース」といえば、真っ先に"ウスターソース"が思い浮かぶ時代があった。その頃からすると、ひと言に「ソース」といっても、ずいぶんバリエーションが増えた。今や、和洋中ジャンルを問わず、レトルト品から瓶詰め、缶詰など、様々な物が手に入るようになった。しかし、便利さの一方で、市販品をそのまま使うだけでは、料理を作る喜びも楽しみもない。そんなことから、我が家では、"自家製"を身上としている。

今、季節の素材を使ったソースといえば、取りも直さず思いつくのが、ご存じ「ポモドーロソース」。夏なら、新鮮なトマトが手に入り、"出来合い"とは段違いの味わいが得られる。もうひとつは、「ジェノベーゼソース」。バジルは、ベランダ栽培で簡単に作れて、無農薬で安全だ。今年も、これら二種類のソースと共に、旬の味を満喫した。

MORE

「ちゃ~」と言ったら、普洱茶

お気楽_中国茶_プーアール380  「普洱茶」。広東語で「ポーレイチャ」、北京語では「プーアールチャ」。香港で「飲茶をする」ときの第一声はコレ。中国茶といえば、「ジャスミンティー」という、日本人の多さを受けてか、黙っていると"花の香り茶"が、自動的にでてきてしまうためである。これって、未だに「エビチリ」を連呼されるのと似ている。気遣いか?見くびられているのか…。

中国茶の魅力に触れたのは、30年前。「陸羽茶室」で、偶然同席した紳士の妙技に目を奪われてから。「蓋杯」と呼ばれる(蓋付きの)器の蓋の部分を、指先で微妙にずらしながら、注ぎ入れるのを初めて見た。しかも、「香港で茶を楽しむなら、まず普洱茶を遊びなさい。それから、いろんな茶を試すとよろしい」と言われた。

以来、頑固一徹。おかげで、「ヴィンテージ普洱茶」と出会うこともできた。ウン十年、間違って!? 放っておかれた偶然の珍蔵品や、丸い形の「餅(ピン)茶」など、蘊蓄・奇談は、聞けば聞くほど、「葡萄酒」のような世界。"黒茶"の奥深さを知る。

 

昨年末、台北に立ち寄ったとき、中国茶専門店「沁園」で、「普洱茶の17年物と28年物が自慢。ウチのお奨めです」ときた。台湾といえば、"青茶"の代表的な銘柄「凍頂烏龍茶」のイメージしかなかったが、そうか~、そうだったのか~!おそるべし"香港紳士"の直言、教訓。参りました。

MORE

「東寶小館」のためならば

お気楽_北角_東寶小館(ドンボウシウグン210お気楽_北角_東寶小館_オーダー210 香港から戻った翌日、「Discovery Channel」の人気番組「アンソニー世界を喰らう」を何気なく見ていると、昨晩、目の前にあった光景が!?!?

 

番組の主役にして、ナビゲーターの"アンソニー"ことアンソニー・ボーディンが、「ウァオ~ッ」と驚きながら、名物の”茶碗ビール”を手に、食卓から溢れんばかりの料理と、格闘しているではないか!?

著書に「キッチン・コンフィデンシャル」をはいすなど、ベストセラー作家であり、料理人でもあるアンソニーのコメントは、明快、明瞭。出会った料理への敬意を示しながらも、時に、「コレハ食ジャナイ。餌ダ…」と、本音をポロリ。某国で氾濫する"グルメもどき番組"とは一線をかくす。それだけに"香港最後の晩餐"と選び、愉しんだ直後、同じ空間を共有しているかの錯覚にとらわれる映像は、なにやら嬉しく、思わず、見入ってしまった。

そのワンシーンが撮られたのは、北角(ノースポイント)の市場「渣華熟食中心2樓(英国式。日本的には3階)」にある「東寶小館(ドンボウシウグン)」。食材調達に恵まれた市場食堂の中でも、質量ともに経済的というだけでなく、「群を抜いてオイシイ」と評判を呼び、連日、開店直後から閉店まで、満席状態。香港の美食師範、蔡蘭氏も絶賛する名店である。

MORE

風は「南y島」にふいている

お気楽_ラマ島_サイクリング210 お気楽_ラマ島_欧米人グループ_レストラン210 お気楽_ラマ島_パブ210
多くの日本人観光客にとって、「食と買い物」のイメージ強い香港だが、「乗り物アイランド」と言ってもいいほど、様々な交通機関が網羅されている。 鉄道や地下鉄、フェリーにトラム、ダブルデッカーバス、ミニバス。これにヘリコプターやヨットのサービスが加わる。フェリーだけでも、「九龍半島」~「香港島」を結ぶ、お馴染み「Star Ferry(スターフェリー=天星小輪)」のノスタルジックな船舶。離島とマカオを結ぶラインになると、「双胴高速艇」をはじめ、「ホバークラフト」、「水中翼船」などがある。乗り物好きにとって、さながら博物館もの。実際、こうした交通手段を組み合わせてみると、大人も子供も、ちょっとしたアトラクション気分が味わえる。

「借り物の地で暮らし、借り物の時間を過ごす」。「スターフェリー」に乗りながら、香港を舞台にした映画「慕情」の原作者・ハンスーインの言葉を思い出す。天気は快晴。中鐶(セントラル)側の埠頭で時刻表を見ると、神様の思し召しのごとく、「南y島=ラマ島」行きが出るところではありませんか~!「南南西に進路をとれ」(古い!?)は否、南y島に進路をとる。

MORE

「黄油蟹」に溶ける

お気楽_創發_九龍城210お気楽_創發_黄油蟹210 「う~む、ムゥ~ッ。暑いっ!?なんだか、ボウ~っと、なってきちまった~。このまんまじゃ、イカレちまう。ここは一体、どこなんだい?」

お天道様の容赦ない照射により、海の水温は上がりっぱなし。そこは、中国・広東省南部の「珠江流域」と、香港北部「流浮山」や「後海湾」近くの潮溜まり。甲羅干し気分で、ついウトウトし、流れてきてしまった蟹君(がざみ蟹。渡蟹の一種)=黄油蟹(ウォン・ヤオッ・ハイ)が、そう言ったか、言わぬか。

この蟹の旬は、夏。地域性から「香港特産の蟹」と言われ、あまりの高温にさらされ、ミソやタマゴが溶け、体内全体に染み渡り、香ばしい蟹身&黄色になるため、その名がついた。一種の突然変異によって生まれたことから、奇であり、異である。よって数が少なく、珍=貴重なのだそうな。

「身」は香りよろしく、「ミソ」は黄金色に耀き、蟹を食べる時の常套、無口を超え、絶句となる妙味が舌を震撼せしめる。「食べる側の身も心も溶かしていく」という、”恐ろしい味わい”をもたらす代物だ。しかしながら震撼、貴重の代価は、大きい。ご存じ、「上海蟹」の数倍を心得る必要がある。それだけに、信用のおける料理屋選びが欠かせない。故、我迷わず、九龍城=カオルーンシティの一軒を目指す。
MORE

祇園祭りの酔い山

お気楽_スタンド_キリンビール210お気楽_スタンド_暖簾210 「祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響あり」。おなじみ平家物語の一説である。お釈迦様が、説法をした天竺(印度の旧名)にあった祇園寺。そこの鐘の音には、全てのもの無に帰し、流転すると言う「真理」を告げる響きがある。

そんなことを知ってか知らずか、毎年の7月1日からの一ヶ月間、京都は祇園祭一色の日が続き、祭りの最中を知らせるかのように、各町のあちこちから、「キンコーンカーン」の鐘の音が聞こえてくる。

 

多くの人は、祇園祭=宵山&山鉾 (やまぼこ) 巡行と思っているかもしれないが、それは祭りの一イベントに過ぎない。ちなみに、「山鉾巡行」が、祇園祭のラストイベントではない。だが、地味な催しが続くため、「すでに終わっちまった(かのよう)」ってんで、「後の祭り」という言葉が生まれたらしい。

ところで、山鉾が巡行する、四条通りの直ぐ近く。「新京極」を少し入ったところに、毎日がお祭りのような店がある。カタカナで「スタンド」。ノスタルジックなロゴで書かれた暖簾をくぐると、昭和デコラティフな空間が広がっている。

MORE

「リドヴォー」て書いてあったわよ

お気楽_アルティジャーニ_クッチーナお気楽_アルティジャーニ_ワイン Ajinci&Balletaにとっての救世主ともいえるイタリアンがある。家から歩いて5分。嬉しいとき、苦しいとき、悲しいとき、いつも、なにかと理由をつけては、ここに来る。そして、いつも同じ気持ちで帰る。「また来よう」と……。

出会いは、9年前に遡る。ある日、買い物から帰ってくるなりBalletaが、「ねねっ、びっくり。品書きに、”リドヴォー”(ris de veau リードボー(子牛の胸腺肉)って、書いてあるイタリアンをみつけたの~」と勇んで言う。

 

「都心ならともかく、こんな街で、そんなものを扱っているなんて、なにかの間違いだろ~?」と半信半疑で、早速、二人で行ってみると、じゃじゃ~ん。確かにボードメニューに書いてある。コリャ、タマゲタ。しかも、シチリアにあるトラパーニ(有名な塩の産地)近郊のマルサラ名産・濃厚葡萄酒”マルサラ”のソースでいただけるという。ワインリストを見ると、イタリア産の他に「チリ産」、「オーストラリア産」と、懐に優しい”赤&白”が揃い、スプマンテも用意されているではないか。

その昔、本国では存在しない「ナポリタンにタバスコ」が、スパゲッティの代名詞だった。その後、海外旅行者や情報が増え、”イタリアンブーム”も手伝って、”本物”が行きかうようになった。とはいえ、未だ、都内の有名店、某準国営放送局までもが、”スプーンを片手にフォークでパスタをクルクル”の風景がまかり通っているのも事実。「ピザにタバスコ」と同じく、この”クルクル回し”も、イタリアでお目にかかることはない。

だからこそ、頭をよぎったのは「この場所で、勇気あるな~」のひと言だった。まずは「ランチメニュー」のパスタとラザニアをいただき、ん!その日の夜に再訪し、目をつけていた「リドヴォーのマルサラ酒ソース」をメインに、5品を味わった。以来、週1回は当たり前。連日、足を運ぶこともある。で、お味はどうだかって?今も通っているのが論より証拠。旨んまい!好好。身近な幸せ、”ご近所イタリアン”の恩恵にあずかりっぱなしである。

MORE

「ちりめん山椒」事始め

お気楽_ちりめん山椒_手作り285
京都、八坂神社境内から南楼門を通り、下河原通りを高台寺下に向かう。4、5分も歩くと、行列も名物!?親子丼で名を馳せる「ひさご」がある。が、目指すは、ここん家ではない。この店のほぼ斜め向かいにある路地裏の、さらに裏のようなところで、肩を寄せ合って立っている数軒の民家のひとつ。玄関先に暖簾が掛かっていて、"なんだかの商い”をしているようだが、他には、なんの案内も無い。わからない人にはわからない。当たり前の図。こ~ゆ~のを「京都は奥が深い」というのか、どうか?? 暖簾をくぐると、そこは玄関先=売り場。家の人が出てきたら、「内使いか、外使いか」。「数」を伝えるだけでいい。だって、売るもんは、「ちりめん山椒」だけなのだから。

もう、お気づきの方もいらっしゃるのでは?ちりめん山椒「やよい」発祥の場での話。「鍋ひとつで、できるさかいに」と、女将さんやご主人が言っているのを、何度か聞いたことがある。今は、ご発展をされ、同じ下河原通に大きな本店を構えていらっしゃるが、始まりは、お鍋と玄関先。ご近所「ひさごの」行列は変わらずとも、その変容ぶりには、ただただ驚くばかり。

京都の町のあちこちの店頭に、「実山椒」が並べられる5月。今までは、見るだけの「小粒」だったのが、「よし、買って、作ってみよう!」に変わったのは、悪魔や天使の囁きでもない。記憶のなかの呪文が、むくむくと頭をもたげてきたからだ。「ナベヒトツデデキル」。
MORE

「月下独酌」。酒を酌む

お気楽_たかはし_竹鶴お気楽_たかはし_店内入り口 花間一壷酒  独酌無相親   
挙杯邀明月  対影成三人   
月既不解飲  影徒随我身 

作は、酒飲みの言い訳名人、ご存じ「李白」。「月下独酌(げっかどくしゃく)」中、冒頭の六句。

 

「ウ~ム。花があってもな~っ。酒飲む相手がいないし、一人じゃぁね。だからといって、世間に媚びるような奴っぁ~とは、御免だ。いっそ一人が良いってもんだが……。"お月さん、今晩は"。どうです?一献。私の影もいれりゃ三人だ。 「♪一人じゃっ、ないって~っ♪」てや~いっ。どうもいけない。お月さんも駄目か。なに?お影さんも、おんなじかい。そりゃ影だからね。いったい、どうしようかね」だとか。訳は酒に乗じての、揚句の挙句。ご勘弁を。

お隣、韓国同様、文化文明の多くを中国から受け継いだ、日本。漢字は、アルファベットと違い、一字一字に意味がある。そんな感じで語句を辿っていくと、李白の胸中が透けて見えてくる。

"酔訳"の元は、「鷹勇(たかいさみ) 山卸廃止酛仕込(やまおろしはいしもとしこみ)」。仕込みが平成17年、製造が平成21年。四年余り、熟成されている。この日本酒を醸造したのは、鳥取県の「大谷酒造」。ナショナルブランドやフルーティー、大吟醸を振りかざす蔵とは一線を画し、こうした蔵元と同じく、独自の姿勢で"上質を醸す酒"を扱う酒屋、酒亭もまた、少ない。その内の一軒が京都にある。かの地には、旨い日本酒を酌める店が、料理屋を含めて「ほとんどない」という、長年の思い込みを、拭い去ってくれた酒房が……。

MORE

京都人のeco(エコ)贔屓

お気楽_エコ_昆布210お気楽_エコ_松風210 「いや~っ、ありましたね」と、含みをもった笑顔で迎えてくれたのは、京都・大徳寺前「紫野松屋藤兵衛」、八代目のご主人。店を入ってすぐの硝子棚の上に、近頃評判の「福耳」があったからだ。

 

白味噌や大徳寺納豆の風味が真情の「味噌松風」。これを作った時にできる"切り落とし"は、言うところの耳、福(副)産物。香ばしく歯当たりよく、その味が目当ての常連さんがいるほど。お得な値段だが、数が少なく、出会えたらラッキー。「味噌松風」そのものが多く作られていないのだから、有難さは一塩。

 

この日は、本筋「味噌松風」と「福耳」をいただく。「"松風"は、どのくらいのを?お内使いで?」。「小さいのを、内使いで」。そんなやりとりをし、包装をしてもらう間、富岡鉄斎の扁額「江山景物新(こうざんけいぶつあらた)」をはじめ、季節を映す掛け花や軸を見るのも楽しい。大徳寺にまつわる、茶菓子「味噌松風」を商うお菓子屋は、京都に数軒ある。中でも、大徳寺そばにある、この店の”小体な佇まい”が気に入っている。

ちなみに、ここには”幸運菓子”が、もう一つある。糸玉に見立てた豆状の砂糖菓子で、七夕が近づくと入手困難になる。その名も「珠玉織姫(たまおりひめ)」。単品でもいいが、贈答用の箱入りがお勧め。"開けて楽しめる"作り手の工夫が心にくい。どう、”ニクイ”かって?それは、お店でお確かめを!「松風」、「福耳」同様、"運の物"でございます、故。

MORE

「ウイスキーが、お好きでしょ」

お気楽_開高健ウィスキー210+お気楽_開高健ウィスキー210 「♪ロンラン ビダン シュビラデ  オデーエー エエーオー♪」。御同輩、懐かしいでしょう。思わず口ずさみませんでしたか。「今夜は酒、いや、ウイスキ~ィと、いきやすか」。

このスキャット名は、「人間みな兄弟、夜が来る」。「夜が来る」を加えたのは、“投げ飛ばしの技"を併せ持つ小林亜星。では、「人間みな兄弟」は、誰が?「性欲・食欲・物欲」、人の三欲の難を語り、著し、健啖で雄弁、時に寡黙。「喰う」を身体で表した、大兄と呼ぶに相応しい人、開高健(かいこう・たけし)である。

「輝ける闇」、「夏の闇」を読んだ、自堕落な日々を思い出す(え?今も、その時と変わらない?)。「平和は唱えるもんじゃないぜ」。“小説家”は痛烈に、我が身の「世間知らず、籠の中の鳥、井戸の中の蛙」を知らしめてくれた。

 

「心に通ずる道は胃を通る」。「かくて、我らは今夜も飲む。確かに芸術は永く、人生は短い。しかし、この一杯を飲んでいる時間くらいはある。黄昏に乾杯を!」。「明日世界が滅ぶとも、今日君は林檎の木を植える 」。「無駄をおそれてはいけないし、無駄を軽蔑してはいけない。何が無駄で、何が無駄でないかはわからないんだ。」「悠々として急げ、漂えど沈まず」。旅を学舎とし、釣りをし、酒を酌み、胃の腑を脅し、おびただしい言葉の数々を投げかけ、それらは名言となった。  

 

MORE
プロフィール

Ajinci

Author:Ajinci
どんなものを
食べているか言ってみたまえ。
君がどんな人であるかを
言いあててみよう。
by Jean Anthelme Brillat- Savarin

Mail access

Name:
Mail:
Subject:
Text:



上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。